本記事は、「自分は教師に向いていない」と悩んでいるときの対処法です。
「教師になりたい!」と目指している時の悩み:
・親や学校の先生、友達から「あなたは教師に向いていないと思う」と言われた。
教師になって働いている時の悩み:
・同僚や先輩の教師から「あなたは教師に向いていないと思う」と言われた。
・実際教師になってみて、「自分は教師に向いていないかも」と感じている。
せっかく教師になろうと頑張っているのに、夢だった教師になって頑張っているのに、「教師に向いていない(と言われた)から教師を辞めるべきなのか・・・」と悩んでいる人は多いです。
教師という仕事を諦めるのは非常にもったいないです。もちろん、自分の意思で教師を辞めるのは全く問題ないですが・・・。
今回は、「教師をやりたいのに教師を辞めるべきかもしれない」と悩んでいる人に向けてお話しします。
教師に向いていない人とは「社会人として最低限のルールを守れない人」
以下のような特徴に当てはまる人は、「教師に向いていない」と言われがちです。
・人と喋るのが得意ではない
・口数が少ない
・人に教えるのが上手くない
・人前で喋るのが苦手
・人を引っ張っていくリーダーシップがない
例えば、物静かで落ち着いている男子中学生の将来の夢が「学校の先生」だった場合。
教師を目指しているこの男の子に、「教師は人とのコミュニケーションが一番大切で、あなたは口数が少ないから向いていないと思う」とは言わないはずです。
寡黙でも、子どもや保護者からの信頼があつい先生はたくさんいます。「先生の落ち着いている雰囲気が好き」と感じる子どももいるでしょう。
したがって、これらの特徴では「教師に向いていない」とは判断できません。
社会人としてのルールを守れない人
教師に向いていない人とは、いわゆる「社会人として最低限のルールを守れない人」です。
【社会人として最低限のルールを守れない人】
■ 挨拶ができない人
■ 敬語を使えない人
■ 時間を守れない人
■ 報告・連絡・相談ができない人
■ 身だしなみを整えられない人
■ 愚痴や人の悪口ばかり言う人
このような人は、教師はもちろん向いていないですが、教師以外でもダメですよね。
この場合、「教師に向いていないから、転職しようかな」と思うよりも、社会人としてのマナーを身につける必要があります。したがって、社会人としてのマナーをきちんとおさえている人は、「教師に向いていないかも・・・」と悩む必要はありません。
教師に向いている人とは「教師をしたいと思っている人」
反対に、教師に向いている人は、「教師をしたい(教師になりたい)と思っていて、社会人としてのマナーを身につけている人」です。
「自分は教師に向いていないかもしれない」と悩んで、この記事を読んで下さっている人は、
・社会人として立派に働いていて、「教師を続けたい」と思っている人
・社会人として最低限のマナーを守り、「教師になりたい」と目標をもっている人
このような人だと思います。
教師として大切なことは、子どもたちの心を理解し、真剣に接することができるかどうかです。
よって、今この記事を読んでいる人は、もれなく「教師に向いている人」です。「自分は○○だから、教師に向いていないかもしれない」と悩む必要はありません。
「教師に向いていない」と感じる理由は自分の強みがわかっていないから
では、なぜ一生懸命教師として働いている人が、「教師に向いていない」と感じてしまうのでしょうか。
実際に教師として働いていると、以下のような悩みをもって働いている人が多いです。
・自分は教科指導や学級経営をより良くするためのアイデアが全く浮かばないので、教師に向いていないかもしれない。
・自分は子どもたちを盛り上げて、学級を一致団結させることが苦手なので、教師に向いていないかもしれない。
・自分は子どもを厳しく叱ることができないので、教師に向いていないかもしれない。
・自分は子どもたち一人ひとりが安心して学級で過ごせるように目配りすることが苦手なので、教師に向いていないかもしれない。
・自分は子どもの気持ちを見る力が足りず自分の指導力の低さが嫌になることが多いので、教師に向いていないかもしれない。
・自分は時間管理が苦手でいつも仕事に追われているので、教師に向いていないかもしれない。
新任の先生や初担任の先生、何年か教師をして「上手くいかない」と感じている先生が、自分の横に座っている先生や学年の先生、大ベテランの先生を見てこのように感じることが多いのです。
これらの悩みの前には、「自分は○○先生と比べて」という言葉が付きます。
・いつも革新的な道具やアイデアを使って、分かりやすい授業をしている○○先生と比べて自分は・・・
・圧倒的なカリスマ性で子どもを盛り上げ、学級をまとめている○○先生と比べて自分は・・・
・悪いことには毅然とした態度で叱り、良いことには大いに褒める、表情が豊かで、態度が一貫している○○先生と比べて自分は・・・
・学級みんなが安心安全に過ごせるように、先生は陰ながらに見守って、子どもにルールを徹底させている○○先生と比べて自分は・・・
・子どもや保護者の背景を完璧に理解し、感性豊かに人間関係を築く○○先生と比べて自分は・・・
・大量の仕事を抱えているはずなのに、いつの間にか仕事を終わらせて帰宅していく○○先生と比べて自分は・・・
このように、自分の周りに「自分よりも優秀な(優秀と感じる)先生」がいたら、自分を卑下してしまいます。
しかし、人と比べて「自分は教師に向いていない」と思う必要はありません。
上に挙げただけでも、色んなタイプの先生がいます。人それぞれ得意分野が違います。
子どもたちも「熱い○○先生が好き」という子もいれば、「普段は優しいけれど、怒ったら怖い○○先生が良い」という子もいます。「きっちりしてる○○先生が信頼できる」と感じている子もいるでしょう。結局、教師もみんな違ってみんな良いのです。
周りに優秀な先生がいる環境はありがたいことです。その人と比べて自分を卑下するのではなく、その人から色んなことを吸収しましょう。
教師で自分の得意分野を伸ばす
上に挙げた教師像のすべてを実現できれば良いですが、最初からできるわけはありません。また、すべてを実現できなければ「教師として成長していない」わけでもないです。
教師として大切なことは、
■ 教師という仕事を通して、自分の強みを伸ばすこと。
■ 自分の強みを子どもの成長に役立てること。
■ 自分の弱みは周りに助けてもらい、子どもの成長にみんなで関わること。
教師という仕事で、苦手なことを一生懸命頑張るのではなく、自分の得意なことを伸ばしていきましょう。
例えば、子どもを叱ることが苦手な人は、きちんとルールを徹底させ、「○○したときは、先生は怒ります」と子ども達に理解させれば良いのです。
子ども達を盛り上げることが苦手な人は、子ども達が一致団結するために子ども達に自主性をつけさせるようにもっていけば良いのです。
苦手なことを自分の得意なことでカバーするのは、その人の能力です。苦手なことを周りの先生や子ども達に手助けしてもらうように働きかけるのも、その人の能力です。
よって、自分の得意と苦手を理解することが重要になります。