本記事は、「教師がしんどい」と感じる時期を乗り切る対処法です。
■ 忙し過ぎて教師をやめたいと思っている。
■ 毎朝学校に行くのがしんどくて、体調を崩している。
■ 仕事がうまくいかなくて、教師を続ける自信がない。
このように、大きな夢や意欲をもって教師になったものの、仕事をするなかで「教師をやめたい」と悩んでいる先生も多いです。
どんな職業でも同じですが、悩みは自分に乗り越えられるものが目の前に表れます。「自分には到底無理だ」という悩みはありません。そして悩みは、自分で努力したり、周りの人に協力してもらったりすることで解決できます。
しかし、心身ともに健康な状態でなければ解決するのも難しくなります。
仕事でストレスがかかり過ぎていると、小さな悩みをとても大きな悩みに感じてしまいます。教育現場は一日でさまざまなことが起こるため、大きな悩みが積み重なっていくと先生が潰れてしまいます。
私の勤めていた学校でも、体調不良で休職になってしまう先生が年間1~2人いました。みなさん、やる気もあり気配りもできる人たちだったので、とても残念ですし体調不良は悲しいことです。
「体調不良で休職」とならないためにも、しんどいと感じる、疲れがたまる時期を把握し、頑張りすぎず、意欲をもって仕事に取り組めるようにしていきましょう。
一年間の流れを知り体調管理をする
教育現場は「4月から3月」が一年間の周期です。4月1日に新学年がスタートします。
教育現場は一年中忙しいのは間違いありません。しかし、一年間の流れを知っておくことで、ストレスがたまる時期や余裕のある時期がわかります。教育現場のだいたいの流れを見ながら説明していきます。
【一年間の流れとポイント】
一学期:職場に慣れる+学級・学年作りに全力を注ぐ
夏休み:ゆっくり休む+二学期以降の準備を
二学期:職場で協力体制を+行事を成功させ後半戦に
冬休み:完全オフ+年始に三学期の目標を立てる
三学期:卒業式・修了式を目指す
どのように忙しくて、どのような時期にしんどくなりやすいのかを知ることは、体調管理をすることで大切なことです。
学校によって行事の時期や内容が違いますが、おおよその流れだと思って見ていただけると幸いです。
【一学期】職場に慣れる+学級・学年作りに全力を注ぐ
一学期は一瞬で終わりますが、基礎を固める大切な時期です。それは子どもたちにとっても、教師にとっても同じです。教師は「子どもたちをどのように成長させていくか」を常に考えて仕事に取り組んでいます。しかし、子どもの前にまずは自分です。
一学期を通して、子どもたちの環境と、教師同士の関係の基礎を固めておくことが重要となります。特に、教師同士の関係を築いておくことは、しんどくならないためにとても大切なことです。
一学期は目の前の子どもを大切にしながら、教師の繋がりも構築していきましょう。
【一学期を乗り切るポイント】
■ 「4月、5月は目が回るほど忙しい」ことを頭に入れておく。
■ 「6月は余裕が少しできる」が生徒指導の問題が出てこないように予防する。
■ 自分と一緒に働く先生との関係を構築する。子どもがどれだけしんどくても、子どもは子ども。大人が一致団結すれば、学校がしんどくなることはない。
■ 一年間やり切れる、気力・体力を調整する。
教師は一年中忙しく、通常の生活に加えて部活動や日々の生徒指導、家庭訪問、進路指導など、さまざまなことを並行して対応する必要があります。想定外の出来事にも対応できるように、気力も体力を温存しながら、日々の仕事をしていってほしいです。
もしも「いつもよりもしんどい」とか「体調が悪い気がする」という疲れが出てきた時は、同僚の先生に相談したり、休みをとったりして一年間やり切れるようにご自愛ください。
【4月】すべての始まり、黄金の時間
1日:異動がある教師は新しい学校に赴任
春休み期間:年度始めの会議や作業
6日~10日頃:始業式、入学式が順次行われる
下旬頃:家庭訪問
春休み
教師の4月は春休みから始まります。
始業式や入学式で子どもたちが登校するまでのおよそ5日間の忙しさは大変なものです。学校、学年、教科、分掌、委員会、部活動など、いろんな場所で会議や準備が行われます。土日があれば、新学期までの実質準備期間は2日という年度もあります。
4月は教師にとっても新しい環境です。新着任の学校では、まずは体を慣れさせること、わからないことはわかっている人に何でも質問して都度解決していきましょう。遠慮なく質問していくことでストレスがなくなり、先生たちとのコミュニケーションもはかどります。
勤務3日目には、「職員室に少し慣れてきたな」と感じることができると良いです。子どもたちに会うまでの準備期間で、まずは勤務校に慣れましょう。
学級開き
あっという間に春休みの準備期間が終わると、子どもたちが登校してきます。四月は年度の始めで、みんなが意欲的になる黄金時間(ゴールデンタイム)です。
学級開きから3日間で、学級と学年のルールを子どもたちに示すことが大切です。始めは子どもたちは、とても言うことを聞きます。
学級開きから3日間で教師の思いを子どもたちに伝え、「安心安全の学級、みんなが成長できる学級をつくっていくこと」を共有しましょう。
家庭訪問
4月下旬から5月上旬にかけて、家庭訪問が行われます。
その頃には、子どもたちも学校に慣れてきています。慣れて緩みが出てこないように、学級や学年のルールを毎日のように確認し、四月は学級・学年作りの基礎をつくることに専念してください。
そして、保護者と家庭訪問で誠意をもって話をし、丁寧に対応しましょう。
4月は怒涛の日々。
土日の休日を大切に、家庭訪問まで体力を温存しつつ乗り切ろう。
【5月】GWで小休止し、行事を利用する
~5日:GWで数日の連休がある
連休明け~中旬頃:集団活動や宿泊活動、修学旅行など
下旬頃:中間テスト
GW期間
開幕ダッシュをした4月も終わり、学級や学年の雰囲気も何となくつかめてきた5月。5月の始めはGWがあります。
「五月病」という言葉がある通り、4月を心身ともにクタクタな状態で終えてしまうと、GWの連休の小休止で体が復活しにくくなります。体が「休みの状態が良い・・・」「もう仕事をしたくない・・・」となってしまうと大変です。
4月は一年で一番大切な時期ですが、余力は残しておきましょう。GWでホッと一息。「連休明けも学級作りを固めていくぞ!」と思える気力を残しておきましょう。
GW明け
GW明けは教師がしんどくなりやすい時期です。
GW後は、中学校の場合、校外学習や宿泊訓練、修学旅行に行くパターンが多いです。先生は、これらの準備で大忙しになります。学活や総合的な学習の時間を利用して、学級の子どもたちの関わりも増えます。
先生の忙しさは大変なものですが、子どもたちが楽しみにしている行事ですので、成功するように準備をきちんとしましょう。学年集会を利用すると、子どもたちに学年のルールを徹底していく良い機会になります。
これらの行事は、子どもたちだけでなく、学年教師の信頼性を深める良い機会でもありますので、みんなでこれらの行事を乗り切れると良いですね。
中間テスト
行事が終わる頃には、中間テストの一週間前に入り、子どもたちの生活は落ち着きます。テスト一週間前は、先生も部活動の指導がなくなり、少し余裕を持てる期間です。
5教科の教師はテストを作成する必要がありますが、この期間にホッと一息ついてください。テストの採点、評価は毎回のテストできちんと付けておくと、通知票を作成するときに楽になります。
5月はGWの小休止を大切に。
連休明けの行事で学級・学年を引き締める。
テスト期間を利用して、子どもも教師も落ち着くと良い。
【6月】祝日のない暑い一ヶ月で学級・学年作りの基礎を固める
下旬頃:期末テスト
6月上旬
4月、5月の忙しさと比べると、六月はかなり余裕が出てきます。しかし、6月は祝日がなく、梅雨入りや夏日になり体力的にしんどくなりやすい時期です。
また、子どもたちは中間テストが返却され、徐々にいろんな物事に対する意欲が下がってくる時期でもあります。始業式、入学式から2ヶ月が経ち、環境にも慣れてきます。SNSのトラブルがポツポツ出てくるのもこの時期です。
子どもたちが安心安全で過ごせるように、年度の始めに示した学級・学年のルールを再度確認すると基礎が固まっていきます。行事ごとのない普段の生活を大切にできると、子どもたちは落ち着きます。
先生方で子どもたちの様子を情報共有しながら、学年全体、学校全体でルール徹底に取り組んでいけると、先生方の意欲も高まります。
期末テスト
6月下旬の期末テストが終われば、夏休みにグッと近づきます。6月上旬から子どもたちを落ち着かせ、期末テストを乗り切りましょう。
6月は変化のない一ヶ月。
慣れてきた環境を大切に、再度ルールを徹底し基礎を固める。
【7月】学級・学年作りの基礎を完了し、一学期を振り返る
上旬頃:通知票作成
中旬頃:三者懇談会
中旬~下旬頃:終業式
7月は6月に比べると、あっという間に終わります。暑いので体力をかなり消耗する時期ですが、目の前の夏休みを目標に頑張れる時期です。
教師は通知票を作成するために、成績処理を時間に余裕をもって丁寧にすることが大切です。
子どもたちは、期末テストが返却され、一学期のまとめに入っていきます。学級・学年で出来たことは大いに褒め、反省は次に活かせるようにすることが大切です。また、夏休みは子どもたちが成長する大切な時期なので、きちんと押さえておきましょう。
終業式前の三者懇談会は保護者とじっくり喋れる数少ない機会です。きちんと準備をして臨みましょう。
7月は目の前の夏休みに、子どもも教師も意欲が上がる。
一学期のまとめをして、学級・学年作りの基礎を完了させる。
三者懇談会で保護者との関係をさらに強くする。
夏休みで英気を養う。
【夏休み】ゆっくり休む+二学期以降の準備を
一学期の怒涛の日々が終わると、待ち待った夏休みがやってきます。
春休みは学校は休みですが、教師は一番忙しい時期です。夏休みは学校が休みであるとともに、教師もゆっくりできる時期ですので、大切に過ごしましょう。
夏休みは一学期の疲れを癒やすのと、長い長い二学期に備えて準備を整えることが重要です。
【夏休みを有効利用する】
■ 部活動で成長する夏休み
■ 学習支援ができる夏休み
■ 今後の準備ができる夏休み
部活動で成長する夏休み
中学校では、夏休みに部活動の最後の大会やコンクールなどが行われます。
【夏休みの出来事】
・三年生は部活動を引退し、受験生としての生活が始まる。
・二年生は三年生の先輩が抜け、部活動の中心になる。自分たちの代に変わり、自分たちの中からキャプテンや副キャプテンが選ばれる。
・一年生はひと夏越えることで、大きく成長する。一学期の一年生はまだまだ小学生だが、夏休みを越えた一年生は中学生らしく成長する。
子どもたちが部活動で一回り成長することを期待できるのが夏休みです。ゆっくり時間をかけて、部活動の子どもたちを指導しましょう。
学習支援ができる夏休み
長い長い夏休みですが、家での学習習慣がない子どもに対して学習支援ができる期間です。
夏休みに大きく成長する子どももいれば、生活が大きく乱れてしまう子どももいます。
学校によってやり方は違うと思いますが、子どもの夏休みの生活を確認する意味でも、子どもが登校する機会に立ち会うようにしましょう。
今後の準備ができる夏休み
教師にとっても夏休みはゆっくり過ごせる期間です。地域によっては夏休みと冬休みの長さが違いますが、夏休みは30日~40日ほどあります。
夏休みを利用して、二学期の準備をできるだけしておくことが大切です。
■ この後の定期テストをすべて作る。
■ 冬休みの宿題を作る。
■ 二学期の行事(体育大会や文化祭、合唱コンクール、職業体験や校外学習など)の準備をする。
夏休みは教師にとって、最も時間がある期間です。夏休みにいかに今後の準備をしておくかで、二学期、三学期の忙しさが変わります。
授業が始まると想定外の出来事が必ず起こりますので、後々必要なことは前もってやっておきましょう。
【二学期】職場で協力体制を+行事を成功させ後半戦に
二学期が始まると、「始業式の次の日は6時間授業」という学校もあるはずです。子どもたちも教師も、夏休みで体がなまっていると思いきや、一瞬で学校生活に慣れます。
二学期の忙しさは夏休みの過ごし方で変わってきます。夏休みをきちんと利用できた場合、一学期よりも二学期はかなり楽になります。
9月の始めの行事の準備から始まり、怒涛の日々・・・と感じることもありますが、二学期は夏休みに準備をきちんとすることができれば、余裕をもってやっていくことができます。
一学期、特に4月・5月の忙しさはどうしようもないところがありますが、二学期は先を見越して行動することで忙しさを分散することができます。
それを知っておいて、余裕のある時に、次の準備をすることを心がけてください。
準備ができているだけで、心に余裕が生まれ、しんどくなることも少なくなります。
【9月】行事の準備から本番まで
中旬~下旬頃:体育大会の予行練習
下旬頃:体育大会
二学期に体育大会と文化祭、合唱コンクールなどの行事が次々と行われる学校が多いです。二学期に入った直後から、10月中旬頃までに行われる行事の準備が始まります。
9月の始めから子どもたちを動かす必要がありますので、教師の準備は夏休み中に済ませておくとスムーズに進められます。
■ 二学期の準備はすべて夏休みに。
■ 二学期は子どもたちを動かすのみ。
体育大会や合唱コンクールは、学級での団結を深める機会であるとともに、学級が揉めてしまうこともあります。
これらの行事は、子どもたちの得意・不得意が分かれる行事です。得意な子たちが良い面を伸ばし、不得意の子たちも安心して参加できるように、学級・学年で団結できるようにしましょう。
学級対抗で他の学級と競うことだけでなく、それぞれの学級の良いところを認め合える雰囲気作りが大切です。
学年・学校の教師全員が行事を協力して動かしていく必要があります。自分の役割をきちんと果たすようにしてください。
【10月】まだまだ行事は続く+中間テストで引き締める
上旬~中旬頃:文化祭、合唱コンクールなど
中旬~下旬頃:中間テスト
9月に体育大会が終わり、少し落ち着きますが、まだしばらく行事は続きます。
10月中旬に行事が一通り終わると、中間テストがやってきます。ここで、夏休みにテスト作成を終わらせていると、とても楽に過ごすことができます。ここまで来ると、少しホッとできる時期です。
しかし、子どもたちの中には、行事で完全燃焼して授業にやる気を出せない子や、行事を通して学級にいることがしんどくなる子が出てくる時期です。行事が終わったときに、行事までよりもしっかりと子どもの様子を見てあげることが大切です。
学年の教師で協力して、子どもたちの情報共有をして対応するようにしてください。
・一年生は二学期の中間テストでテストの点数が大幅に下がる傾向があります。各教科の学習内容が中学生の内容になり、子どもたちの学習意欲が下がる時期でもありますので、必要な声掛けをするようにしましょう。
・三年生は本格的に進路指導が始まる時期です。進路三者懇談会に向けて子どもと二者懇談を行うなど、一人ひとりとじっくり話す時間をとっていきましょう。
【11月】落ち着く時期+期末テストを乗り切る
上旬頃:生徒会役員選挙
上旬~中旬頃:職業体験、進路三者懇談会など
下旬頃:期末テスト
11月に入ると学年や学校によって行事があったりなかったりします。ほとんどが日常の授業になりますので、落ち着いてきます。
11月上旬頃に生徒会の役員選挙があり、生徒会長が三年生から二年生に変わります。
三年生は、自分の進路に向かって本格的に動き出します。
二年生が、中学校の中心にかわっていきます。二年生の気持ちが大きく成長する時期ですので、三年生になる準備をさせていきましょう。
学習面では二学期の期末テストは中間テストが終わってすぐにやってきますので、勉強に集中できる環境をつくりましょう。
11月になるとかなり日没時間が早くなり、子どもたちの下校時間も早くなります。2月頃までは、最終下校時間が17時頃ではないでしょうか。
部活動が早く終わるため、教師の勤務時間も短くできる時期です。早く帰れる日はできるだけ早く帰宅しましょう。
【12月】長かった二学期の振り返り
上旬頃:通知票作成
中旬頃:三者懇談会
中旬~下旬頃:終業式
12月に入ると二学期も残り少しです。日が短くなり、一日一日が一瞬で過ぎていきます。
12月上旬は一学期と同様に、教師は通知票を作成します。
子どもたちは長かった二学期を振り返り、成長を実感する時期です。
終業式前の三者懇談会は、保護者と喋れる最後の機会です。きちんと準備をして臨みましょう。
また冬休みは家族でゆっくり過ごし、新年を意欲をもって迎える大切な時期なので、きちんと押さえておきましょう。
冬休みの年末年始は部活動もないため、先生方もゆっくりできます。
【冬休み】完全オフ+年始に三学期の目標を立てる
二学期が終われば、三学期は本当にすぐに終わります。
私の感覚では、4月から始まり、二学期も終えることができれば、よっぽどのことがない限り、一年間を無事にやり切ることができます。
長い長い二学期が終わると、短い冬休みに入ります。
3ヶ月半~4ヶ月続いた二学期は、無事過ごせたとしても疲れはたまっています。
冬休みを有効活用しましょう。
【冬休みを有効利用する】
■ 完全オフの冬休み
■ 三学期の目標を立てる冬休み
■ 三学期の準備をする冬休み
完全オフの冬休み
冬休みは年末年始をはさむため、部活動も完全に休みになります。
また冬休みは短いため、学習支援をする機会もほとんどありません。
学校が閉まる年末年始の一週間は、完全オフをとるようにしましょう。
年末年始以外は、休日といっても半日部活動があって、1日オフの日は少ないので、この一週間はとても貴重です。
冬休みは家族サービスをしたり、趣味に励んだり、何もしないことを楽しんだりできる最高の時期です。大切に過ごしましょう。
三学期の目標を立てる冬休み
学校の一年間は、4月から3月です。年始を迎えると、残り3ヶ月しかありません。子どもたちが登校する日数は、およそ50日です。
二学期までに、学級や学年はほとんど出来上がっています。
・三年生は3月に卒業し、社会に巣立っていきます。
・1、2年生は3月に修了式があり、今の学級で過ごす時間も残り少しです。
・3月の卒業式・修了式に向けて、ほとんど出来上がっている学級を「この学級で良かった」と思える学級に仕上げていくことが大切です。
そのために、教師として何をすべきか、冬休みのうちに3月までの目標を設定しましょう。
三学期の準備をする冬休み
長期休暇は、学校が始まってからのことを考えて準備しておくことが重要です。
春休みも夏休みも冬休みも同じです。
学年末テストを作成したり、行事の準備をしたり、学活・道徳・総合的な学習の時間の準備をしたりします。
三年生は、1月から高校受験が本格的に始まりますので、教師の準備も12月から始まっています。
調査書を書いたり、進路のいろんなデータを確認したりするのは冬休み中にしておいた方が良いです。
冬休みは短い期間ですが、三学期のために動いておくことが大切です。
そう思うと、冬休みはあまり休めていない気がしますが、学校に行かなくて良いこの期間を楽しんでくださいね。
【三学期】卒業式・修了式を目指す
三学期は一年間のまとめの期間です。
■ 年始、子どもたちは目標を立てて、モチベーションが上がっている。
■ あと少しで学年が終わるため、子どもたちは学級を大切にする。
■ 次の学年に向けて子どもたちの気持ちが高まり、行動が意欲的になる。
私はこの三学期が大好きでした。子どもたちが最高の状態にある三学期を、一年間のまとめとして良い時期にしていきましょう。
【1月】2度目のゴールデンタイムを意識する
冬休みが明けると、子どもたちの意欲が上がっていることに気がつくはずです。
子どもたちは知らず知らずのうちに、年末に一年間の振り返りをして、年始に一年間の目標を立てているのです。
1月は、年始めで、みんなが意欲的になる黄金時間(ゴールデンタイム)です。
4月も年度始めでゴールデンタイムでしたが、1月も同じです。
4月は、環境がすべて新しい状態でのゴールデンタイムなので、環境に慣れることに結構なエネルギーを使ってしまいます。
しかし、1月は学級が変わっていることもないので、慣れた環境のなかでいろんなことへのモチベーションが上がっているわけです。
そして、年始に立てた目標は、3月までの短期目標です。
子どもたちはだいたい「1年生のうちに」とか「2年生になるまでに」という目標を立てます。
1月の始めのうちに、学級や学年で「卒業式・修了式までの目標」を掲げ、子どもたちに意識させると、とても良い一年間のまとめができるはずです。
その目標に向かって、普段の授業や生活、部活動を頑張る子どもたちの様子をよく見て、褒めてあげるようにしてください。
【2月・3月】卒業式・修了式を意識して学級・学年をまとめる
逃げる2月。2月は本当に一瞬で終わります。
三年生は2月上旬から3月上旬にかけて受験があり、それに一つ一つ挑戦しているだけで時間はあっという間に過ぎ去ります。
そして3月中旬には卒業式があります。
1・2年生は、2月末~3月上旬に学年末テストがあります。
あっという間に三年生が卒業し、三年生が卒業した実感のないまま、修了式を迎えます。
この時期は、1日1日がとても短く感じられ、今の学級や学年を楽しむ最後の時期です。
1月のゴールデンタイムとは少し雰囲気は異なりますが、子どもたちは4月に学年が上がることを頭のどこかで意識しています。
子どもたちが、一年前の自分と比べて、成長を感じることができる大切な時期ですので、一年間の振り返りをきちんとしていきましょう。
3月の卒業式・修了式をイメージさせて、日々の生活をさせることが重要になります。
子どもたちが「この学級で良かった」「この学年は最高だった」と思える卒業式・修了式になったら良いですね。
先生方も、本当に一年間お疲れさまでした!
一年間の流れを知り「学校をしんどい」と感じる時期を乗り切ろう
教師の一年間の流れを見てきました。
4月は環境の変化も大きいので、4月の疲れは大変なものです。5月が終わって6月からは楽になるのかと言うと、そうでもありません。
疲れがたまっていたり、自分で「うまくいっていないのが気になる・・・」と不安になっていたりすると、健康的な状態とは言えません。5月までを乗り切ったあとは、疲れがたまらないように過ごすことが大切です。
夏休みや冬休みの準備期間を意識して、準備を進めておくことが一年間を乗り切る重要なポイントです。
子どもたちにとって、教師は一番の教育環境です。
先生方が、健康的に余裕をもって一年間を過ごせることを祈っています。