本記事は、学校運営や学級経営における「朝読書」についてです。
朝読書を全校で取り組んで、荒れている学校が落ち着いた学校に変貌を遂げた!
このように、学校運営や学級経営における「朝読書」には絶大な効果があると言われています。
全校で「朝読書」に取り組んでいる学校もあれば、学年で取り組んでいる学校もあります。多くの学校で取り組まれている「朝読書」を効果的に行うためには、ルールの徹底が重要です。
今回は、学級経営の一環として「朝読書」をするために大切なポイントを説明します。
朝読書の一番のルールは「継続すること」
朝読書は学校全体で取り組むべきものですが、朝読書のルールは学校それぞれだと思います。その中で一番大切なこと。
朝読書の一番のルールは、継続すること。
朝読書は1年間継続して行うべきものです。
朝読書の時間は以下の2通りが考えられます。それぞれメリット・デメリットがありますが、1年間継続することで子どもも教師も朝読書の意義を感じることができるので、①、②どちらでも良いので1年間継続しましょう。
① 「朝読書」→「朝の会」の順番に行う
② 「朝の会」→「朝読書」の順番に行う
朝読書の落ち着いた雰囲気は最高ですよね。
他に、朝読書のルールは以下のようなものが挙げられます。ルールを徹底して守らせ、朝を落ち着いた時間にしましょう。
【朝読書のルール】
・朝読書、または朝の会までに荷物をロッカーにしまっておく。
・子どもが、各自で朝読書用の本(教科書や漫画はダメ、活字本)を準備する。
・朝読書の本を忘れた子どもは、学級文庫を読んでもよい。
・喋らず、音読せず、決められた時間(10分~15分程度)を読書に当てる。
・教師も一緒に読書をする。
朝読書・指導方法の5つのポイント
朝読書は学級経営の一部です。学校で決められた「朝読書の時間」を子どもたちがきちんと取り組むことができると、子どもたちは安心して学級で過ごせるようになります。
しかし、朝読書の時間が子どもたちの好き勝手な時間になってしまうと、朝読書の意味がまったくなくなってしまいます。
朝読書を有意義な時間にするための、朝読書・指導方法の5つのポイントについてお話しします。
【朝読書・指導方法の5つのポイント】
・教師が行動で示す
・教師が朝読書の時間を守る
・朝読書の環境を説明し、机間巡視で確認する
・学級文庫を活用して良いルールにする
・教師が読んでいる本について紹介する
一つずつ見ていきましょう。
教師が行動で示す
朝読書は、「教師が行動で示す」ことが一番大切です。
朝読書は全校で取り組む時間です。教師が子どもたちに、お手本を見せてあげましょう。清掃時間に、教師も一緒に掃除に取り組むのと同じことです。
朝読書の時間に、教師だけが違うことをしていると、子どもたちは「なぜ先生は取り組まなくて良いのか」と疑問に感じます。
廊下で巡視している教師も、朝読書の時間は一緒に取り組むことが大切です。
子どもたちが、「朝読書の時間は先生も一緒に、みんなで読書をする時間なんだ」と感じられる空間をつくっていきましょう。
教師が朝読書の時間を守る
教師が朝読書の時間を守ることも大切です。
朝読書が習慣化してくると、子どもたちは早く読書をしたくなってきます。そんな時に、教師の話が朝読書の時間まで食い込むと、子どもたちはうんざりしてしまいます。
朝の会の時間、朝読書の時間をきちんと分けて、教師がタイムキーパーとして時間を守ることが大切です。
子どもは、始めは教師が示したルールを守ろうとします。そして、子どもがルールを守り続けるのは、「教師もルールを守っている」と判断した場合です。
教師が「時間」というルールを守っていることを子どもたちに示していきましょう。
生徒指導などで、朝の会の時間では連絡や話が収まりきらないときは、少々朝読書の時間が短くなっても構いません。
しかし、それは特別な場合として、日頃からきちんと朝読書の時間を確保するようにしてください。
朝読書の環境を説明し、机間巡視で確認する
教室の環境整備は、何よりも大切です。
朝は、子どもたちが登校して間もない時間帯です。しかし、朝の会、朝読書が始まる時には、子どもたちが荷物を整理できている状態でないといけません。
朝の会、朝読書を始める前に、身の回りの整理整頓がきちんとできているか、毎朝声掛けをするようにしましょう。
毎朝確認をすると、大半の子どもは朝の段階で荷物をロッカーに入れて、環境を整えて着席するようになります。
しかし、ぎりぎり登校をしたり、整理が遅かったりする子どもは、朝の時間に環境が整っていないことがあります。その場合は、朝読書の時に、教師が机間巡視をして、朝の時間の環境について1人ずつ声を掛けるようにしてください。机間巡視は一瞬で終わらせて、教師も読書に取り組みます。
全体指導で、全員が環境整備できているのならば素晴らしいです!その場合は、おおいに褒めてあげましょう。
できていない場合は個別に声掛けをして、全員が朝読書の環境を整えられるようにします。
朝読書の環境は、学級全員で作っていくものです。「出来て当たり前」「安心して過ごせる学級」を目指して、声掛けをしていきましょう。
学級文庫を活用して良いルールにする
朝読書の本は、子どもが各自で準備します。しかし、家に持って帰って持ってくるのを忘れたり、なかなか持って来なかったりすることもあります。
「朝読書の本がない」という理由で、朝読書に取り組まないのは良くない状態です。この状態をなくすために、学級文庫を揃えておきましょう。
学級文庫は思いのほか人気があり、その本をずっと読んでいる子や、一冊学級文庫を読んだ後にその作者の本を自分で準備する子もいます。
大半の子どもは自分で準備した本を読みたがりますが、忘れた場合に朝読書の時間が無駄にならないように、学級文庫の準備をしてあげてください。
教師が読んでいる本について紹介する
朝読書の時間は、特に本の指定もないですし、子どもの行動を評価するわけでもありません。教師も自分が読みたい本を読んでOKです。
子どもたちは、教師が一緒に朝読書をしている姿を見ています。そして、自然と「先生は何の本を読んでいるんだろう」と感じるようになるのです。
子どもたちの興味を利用して、是非とも子どもたちに「教師が読んでいる本」について紹介し、感想を喋ってあげてください。
教師が朝読書の本について喋ることで、「朝読書はみんなで取り組む」「朝読書をきちんとできる、安心できる学級」と、子どもたちがますます強く感じられるようになります。
【学級経営】朝読書はルールを徹底して全員で取り組む
朝読書は学級経営の一環なので、教師も子どももルールを守って取り組むことが大切です。
■ ルールを周知する。
■ ルールを守るための環境整備をする。
■ ルールを守り続けるために全員で取り組む。
これらを意識して、朝読書の時間を過ごせるようにしましょう。朝読書がうまく機能すると、必ず学級は落ち着きます。
子ども達が落ち着いた環境で1日を過ごすために、有意義な朝読書の時間にしてくださいね。