本記事は、教師が休職に追い込まれる原因と対策法についてです。
学校の先生がしんどくなり、休みがちになる。
そして、勤務することができなくなり、休職に追い込まれてしまう。
どれだけ元気でエネルギーのある先生でも、心の不調を訴える可能性があります。
私が勤務していた学校でも、年度の途中でしんどくなり、休職される先生が何人かいました。真面目に一生懸命働いている先生が心の不調を訴える姿を見ると、悲しくなります。
教師の人数が減ることで、残された先生たちへの負担も大きくなってしまいます。また、一度休職してしまうと、完全に現場復帰することは難しいように感じます。
毎日忙しく働く先生方が、心身ともに健康に仕事ができるように、ご自分の健康状態に敏感になってほしいです。今回は、心が不調になる原因と、そうならないための対策法についてお話しします。
教師が休職に追い込まれる4つの原因
教師は忙しい中でもやりがいのある仕事です。意欲あふれる先生方が、少しのことで心の不調になる可能性は低いです。
しかし、日々の生活のなかに教師が心の不調を訴え、休職になってしまう原因があります。原因として、以下の4つが考えられます。
【教師が休職に追い込まれる4つの原因】
① 仕事が忙しい
② 子どもとの関係が悪い
③ 保護者との関係が悪い
④ 教師との関係が悪い
一つずつ見ていきましょう。
【原因①】仕事が忙しい
教師は、学級経営や教科指導、部活動指導など、日々仕事に追い回されます。朝早くから勤務し、夜遅くまで保護者対応や生徒指導で残業をすることもあります。平日だけでなく、土日も部活動指導があると、ゆっくり休む時間がありません。
睡眠時間をきちんととれなかったり、ご飯を食べる時間をとれなかったりすると、体調不良になる原因になります。
自分のキャパシティを超える仕事量が長期間続くと、心の不調につながる可能性があります。
【原因②】子どもとの関係が悪い
教師のやりがいは、子どもの教育に携わることです。
学級経営であったり、教科指導であったり、教師の技術指導によって子どもの成長に関わることができます。子どもに関わることで、教師は元気に仕事をすることができます。
しかし、自分の指導がうまくいかなかったり、自分の指導が原因で何か問題が起きたりしたときに、子どもとの関係が悪くなることもあります。
どんな仕事でも同じですが、教師の仕事も失敗の連続です。失敗しながらも自分の技術力を上げていくことが大切です。
しかし、うまくいかなかったり、子どもへの対応を難しく感じて自信がなくなったりすると、心の不調につながっていきます。
【原因③】保護者との関係が悪い
教師は子どもだけでなく、保護者との関わりも深いです。
保護者に学校教育活動を理解してもらい、子どもの成長に一緒に関わることを実感できているのが良い状態です。教師がきちんと対応することによって、必ず保護者の理解を得ることができます。
しかし、保護者との関係がうまくいかない瞬間もあります。保護者対応を難しく感じ、ストレスとなって体調不良になるパターンです。
【原因④】教師との関係が悪い
教師は、学年集団や学校全体のチームで取り組む仕事です。
上で挙げた原因①~③は、チームで働くことができていると、しんどくなりながらも乗り切ることができます。
どれだけ忙しくても、どれだけ教師としての技術が足りなくても、保護者との関係で困ることがあっても、チームとして仕事をすることができていれば、休職まで追い込まれることは少ないです。
教師は自分の役割を果たしながら、チームで子どもや保護者と関わり、良い学年をつくっていきます。
したがって、チームがうまく回っていない状態で、原因①~③のどれかがあると、一気にしんどくなってしまいます。職員室の教師集団の関係が悪いことが心の不調につながることが多いのです。
教師が健康的に仕事をするための3つの対策法
上に挙げた通り、教師が休職に追い込まれる原因の一番大きな原因は「④教師との関係が悪い」ことです。
教育現場でよく聞く言葉。
子どもがどれだけしんどくても、教師がしんどくなければ大丈夫。
「教師がしんどくなければ」というのは、「教師の協力体制が万全ならば」という意味です。仕事や子ども、保護者がどれだけしんどくても、教師同士がチームとして成り立っていれば、元気に仕事をすることができます。
ここからは、心の不調に陥らないための3つの対策法についてお話しします。
【教師が健康的に仕事をするための3つの対策法】
【対策法①】教師の技術力を上げる
【対策法②】仕事のことをチームに相談する
【対策法③】世の中にはいろんな人がいると受け入れる
一つずつ見ていきましょう。
【対策法①】教師の技術力を上げる
教師はさまざまな技術力が必要です。特に、学級経営と教科指導に関しては教師をやる上では外せません。
これらの技術力を上げることで、子どもとの関係が良くなり、子どもとの関係が良くなると自然と保護者との関係も良くなります。
自信のない教師に子どもは学びたくないですし、保護者も子どもの教育を任せるのは不安に感じます。少しでも、自信をもって日々の仕事をできるように、技術力を上げることを第一に考えましょう。
【対策法②】仕事のことをチームに相談する
心の不調が出やすい環境は、教師同士の関係が悪いことです。
教師は自分一人で完結することができない仕事です。
何も問題がないときから、自分の仕事を周りの教師に知ってもらうことが大切です。
何か問題が出たときに、学年の先生たち、学校全体の先生たちにフォローしてもらえるように、普段から相談したり、コミュニケーションをとったりすることが重要になります。
子どもたちのために、周りの先生たちと協力することを忘れないようにしましょう。
基本的な話ですが、お願いするときには「すいません」、謝るときには「ごめんなさい」、お礼を言うときには「ありがとうございます」の言葉が必要です。
周りの先生たちを信頼せず、「自分だけで頑張っている」と視野が狭くなってきている時ほど、これらの言葉が出なくなります。
先生たちとの人間関係、協力体制が一番大切ですので、忘れないようにしてください。
【対策法③】世の中にはいろんな人がいると受け入れる
教師の仕事の醍醐味は、人間関係を構築することにあります。子どもとの関係、保護者との関係、教師同士の関係。これらの人間関係をきちんと構築し、子どもの成長に関わっていきます。
しかし、世の中にはいろんな人がいます。
いろんな人と出会う中で、気の合う人や自分が良いと思う人にしか、良い感情を持たない人がいます。
ある人に対して、自分の中で許せなかったり、理解できなかったりすると受け入れられない場合、人はイライラしたり、その人を攻撃したりします。このようになってしまうと、結局は自分がしんどくなります。
自分の中で「新しい」と思う人は、良い出会いだと受け入れていくことが大切です。
教師は人間関係がすべてです。人との関係で、ストレスを感じないように工夫しましょう。
【休職回避】心の不調を確認し対策を
今回は、教師が心の不調によって、休職まで追い込まれてしまう原因と対策法についてお話しました。
どのような仕事でも同じですが、その仕事に関する技術力と人間関係の構築が不可欠です。
少しでも「しんどい」と感じたときには、原因を見つめ、自分でできる対策をしていくようにしましょう。
休職まで追い込まれてしまうと大変ですし、再度復帰するのにも時間がかかります。また、現場に迷惑がかかることについても罪悪感を感じてしまいます。
意欲ある先生が、良い職場環境で働けるように応援しています。