本記事は、新任教師が一年目の学級担任を乗り越えるためのポイントについてです。
4月、会社では新入社員が、学校では新任教師が働き始めます。緊張のなか4月が始まりますが、始めてのことばかりで人は疲れやすくなっています。
4月が過ぎ去った5月、ゴールデンウィークがやってきます。5月になると、4月にたまった疲れとゴールデンウィークの休憩から、新入社員や新任教師五月病になってしまう可能性があります。
特に、新任教師が一年目から担任を任された場合は本当に大変です。
今回は、新任教師が教師を続けていくために、五月病にならないために、気をつけるべきことについてお話しします。
新任教師はゆっくり現場に慣れる方が良い
新任教師は、徐々に現場に慣れていった方が精神的にも、体力的にも良いです。
私は新入社員と新任教師を、それぞれ一回ずつ経験していますが、幸運にも両方ともゆっくりと仕事に慣れることができた環境でした。
【私の新入社員の一年間】
大学卒業直後、新入社員のときは、新人ばかりの研修が3ヶ月に渡って行われました。仕事の現場には、7月に始めて配属になりました。
4月から徐々に社会人生活に慣れ、3ヶ月経つ頃には何となく余裕をもって、現場に参加することができたのです。
配属先にも新人指導をしてくれる優しい先輩がおり、配属から1年間はずっとお世話になりました。
【私の新任教師の一年間】
新任教師の一年間は、副担任でした。
一年間は教科指導や部活動指導を主体的に行いました。新任教師の指導員に授業の確認をしてもらい、アドバイスを実践する良い時間でした。
学活や道徳、総合的な学習の時間など、担任の先生の動きをよく観察できました。副担任の立場で一年間、学校の流れをじっくりと見ることができました。
3年生の副担任だったため、進路指導を目の前で確認することもできました。
「2年目は1年生の担任になること」を頭に入れて、「自分だったらこうする」ということを一年間かけて考えることができたのです。
私の新入社員と新任教師の一年間は、本当に環境に恵まれていました。先輩社員や先輩教師にゆっくりと育ててもらうことができたと感謝の思いでいっぱいです。
しんどいことは勿論ありましたが、精神的にしんどくなることはなく、五月病にかかる気配も全くなく、過ごすことができました。
新しい環境には、ゆっくりと慣れていくことが鉄則です。
新任教師で一年目から学級担任を任される場合も
新しい環境で働くことになった人が、いきなり大きな責任を負ってしまう場合もあります。平気な人も勿論いますが、あまりに過度なストレスがかかってしまうと、体を壊してしまう可能性が高いです。
私の営業職の友人は、「入社から一週間は先輩について外回りをして、入社から一週間後には一人で野に放たれた。キツすぎる。」と言っていました。私の入社二週間目は、同期の子たちと研修をぬくぬくと受けていたときだったので、恐ろしい話があるもんだと思ったことを覚えています。
その友人は結局すぐに仕事に慣れていましたが。強いですね。
教師も同じで、新任教師がすぐに担任を任される場合があります。
つい先月大学を卒業したばかりの新任教師が、4月の入学式・始業式から学級担任をしないといけないのは非常に酷です。
できれば2年目に初担任をもたせてあげる方が良いですが、現場の事情があるので1年目から頑張る場合は腹をくくって乗り切るしかありません。
新任教師が一年目の学級担任を乗り越えるための5つのポイント
新任教師が一年目の学級担任を乗り越えるための5つのポイントは以下の通りです。
■ 学級経営の本を読んで実践する
■ 全力で先輩教師に頼る
■ 失敗して当たり前と心得る
■ 「保護者の心配はもっともだ」と受け止める
■ 若さと元気良さを全面に出す
一つずつ見ていきましょう。
学級経営の本を読んで実践する
新任教師が4月から学級担任を任された場合、不安に思っている余裕もありません。教師は失敗を繰り返しながら成長していく職業ですが、30人~40人の子どもたちの一年間の責任をもつことになるので、失敗は少ない方が良いに決まっています。
学級担任の失敗を少しでも少なくするために、入学式・始業式までに『学級経営の本』を読んで学級担任のスキルを頭に入れておくことをオススメします。
学級経営で肝心なのは、始めの3日間、一週間、一ヶ月です。GWまでの一ヶ月を『学級経営の本』で乗り切ることが、そのまま新任教師が一年目の学級担任を乗り越えることにつながります。
全力で先輩教師に頼る
教師は4月、5月がものすごく忙しく、がむしゃらに仕事をすることになります。ただ、新任教師が担任をもつときは、必ずベテランの先生が近くにいてくれるはずです。
実際子どもたちの前や保護者の前に立つのは担任で、責任も担任がもつ必要はありますが、始めはベテランの先生の意見に従って行動すれば良いです。
新任教師にとってはすべてが始めてのことなので、近くにいるベテランの学年主任・副担任・同じ学年の担任など、誰でも構いません。なりふり構わず頼っていきましょう。
子どもたちのために一生懸命行動する新任教師を、周りの人たちは必ず救ってくれますし、フォローしてくれます。そういった先輩方に感謝しながら、自分で動いていきましょう。
副担任から始まる場合は、人の行動を見て学習する期間がありますが、担任から始まる場合は実際に自分が動かなければいけません。トライ・アンド・エラーでやってみるしかありません。
失敗して当たり前と心得る
教師をしていて、毎日失敗しない日はありません。
これは何年働いても同じです。ましてや新任教師が担任をして、失敗しないわけがありません。
「うまくいかなくて当たり前」と心得て仕事をすることが大切です。
失敗していても、謙虚に精一杯働く先生の姿は、子どもたちにも伝わります。
1つ1つの失敗に対する反省は大切ですが、いちいち落ち込んでいる場合ではないです。繊細な心ではやっていけませんので、心を強くもちましょう。
「保護者の心配はもっともだ」と受け止める
子どもたちは、若い先生が担任になって、喜ぶことも多いかもしれません。
しかし、保護者は「ベテランの〇〇先生が良かった」や「一年目の若い先生に自分の子を預けるのは不安だ」など、一年目の教師に対して厳しい目を向けることも多いです。
これらの保護者の心配は、まったくもってその通りで、否定することはできません。
信頼を得るには、教師の経験を積んで、子どもたちと向き合うことを繰り返すしかありません。子どもを心配する保護者の意見は当然のこととして受け止めましょう。
若さと元気良さを全面に出す
新任教師は、先輩教師に経験や信頼では絶対に勝てません。
しかし、若い人には体力があります。
教師になった喜びを意欲に変えるとともに、体力があることを武器に、ハツラツと働いてみてください。
元気な人は、子どもたちからパワーをもらえます。
「教師一年目に担任の大役を担った!」とプレッシャーを喜びに変えて、頑張っていきましょう。
新任教師が一年目の学級担任を乗り切るために
新任教師が学級担任を乗り切るには、自分の力だけではなく、学級経営の本や周りの先輩に頼ることが大切です。そして、自分は一生懸命行動していきましょう。
そのうえで、少しの失敗や少しの批判でくじけない心をもち続けることも大切です。
教師になる夢を実現した若い先生が、心身ともに健康に、新任教師の一年間を乗り切ることを祈っています。