本記事は、「教師の断捨離術」についてです。
学校は、圧倒的な紙文化です。
最近は、緊急の場合は保護者にメールで伝えたり、職員間の連絡はパソコンにデータを保存して伝えたりすることも増えてきました。しかし、基本はまだまだ紙の社会です。
職員室には自分の机が1つありますが、毎日配布される紙を捨てることなくため続けると、1年間で膨大な量になってしまいます。
今回は、教師が無駄を省き、効率良く仕事をするための、紙の断捨離についてお話しします!
【学校は紙文化】職員室の膨大な紙が教師の仕事を邪魔している
教師の仕事は、教科指導・学級経営・生徒指導・保護者対応・部活動など、子どもたちに関わる部分だけの仕事をしているわけではありません。教師が職員室に戻ると、教材研究や校務分掌の仕事、テストや提出物の採点、さらには雑用と呼ばれるようないろんな仕事が待っています。
多種多様な仕事のうえに、毎日増えていく膨大な紙が、教師の仕事を邪魔しています。
しかし、先生のなかには、スッキリした机でサッサと仕事を終わらせて帰宅する人もいます。
先生全員が、紙を断捨離して仕事を効率化できたら最高ですね。
仕事が早い先生の机は片付いている
「仕事のできる人の共通点」として、「机が片付いている」ことが挙げられます。
もちろん机が散らかっている人でも仕事ができる人はいます。しかし、「仕事を早くする」ためには集中できる環境が不可欠です。
教師が職員室に戻ってきて、机で仕事を始めるときは「早く仕事を終わらせて帰宅するぞ!」と意気込んでいます。ここで、自分の机が片付いていないと、仕事をするために「プリントを探す」ことから始めなければいけません。
仕事を始める前に、机をあさる先生はものすごく多いです。すぐに着手できないとやる気が落ちてしまいますよね・・・
自分の机が片付いていないと仕事をする気にならないので、まずは机の回りを断捨離しましょう。
紙のほとんどは目の前の仕事に不要
職員室ではいろんな紙が配布されています。すべて教師に必要な内容ですが、今から仕事をする人にとっては不要な内容のものがほとんどです。
すぐに、目の前の仕事に必要な紙を手元に持ってこれるように、紙を断捨離し、仕分けしておきましょう。
膨大な紙は断捨離してから整理整頓を
職員室の紙の量は凄まじいので、整理整頓だけでは紙が溢れてしまいます。
紙は断捨離をしてから、整理整頓するようにしましょう。
紙は大きく3つに分類されます。それぞれの特徴と断捨離の仕方を見ていきましょう。
■ 子ども向けのプリント
■ 保護者向けのプリント
■ 教師向けのプリント
断捨離をするときは、紙のそれぞれの役割を見てどのようにすべきか考えると良いです。
【配布・返却・破棄】子ども向けのプリント
子どもに配布するプリントは、学級通信や学年通信、教科や道徳・学活で使うプリントがあてはまります。
【子ども向けのプリント】
■ 配布・返却をして、残りのプリントは廃棄する。
■ 原本はデータ保存し、プリントを手元に残さない。
配布して子どもが読むプリント
学級通信や学年通信の役割は、配布して子どもと情報を共有することです。
配布を終え、教室に掲示するなどした後は不要なので、残りは廃棄してしまいましょう。自分の手元に残すのはプリントではなく、パソコンでデータ保存でOKです。
配布して子どもが作業し提出するプリント
教科や道徳・学活で使うプリントの役割は、「配布して終わり」ではありません。子どもたちがプリントに問題を解いたり、感想を書いたりして提出する場合が多いです。
・教科のプリントは、採点をしてすぐに子どもたちに返却する。
・道徳・学活のプリントは、すぐに目を通し、子どもたちにフィードバックをする。
・子どもたちの感想・振り返りプリントは、子どもに返却し、先生からの感想を伝えてあげると良いです。
・プリントを返却する場合は、子どもたちにファイルを準備してあげて、つづれるようにしてあげましょう。
子どもに返却するプリントはすぐにチェックして翌日、もしくは次の授業で返却できると、プリントがたまりにくいです。
アンケートなどで子どもに返却する必要のないものは、子どもにフィードバックしたあと、良い時期に廃棄しましょう。廃棄するのが気になる人は、「廃棄予定のプリントゾーン」をつくって年度末までそこで保管し、年度末に廃棄しましょう。
これらのプリントも、自分の手元に残すのはパソコンでデータ保存して、プリントは廃棄しましょう。
【配布・保管・破棄】保護者向けのプリント
保護者に配布するプリントは、学級通信や学年通信の他、学校行事の日程連絡やPTAの連絡、家庭訪問・懇談の日程調整のプリントがあてはまります。
【保護者向けのプリント】
■ 配布をして、2部程度残しておき、残りは廃棄する。
■ 原本はデータ保存する。
配布して保護者が読むプリント
学級通信や学年通信、いろいろな連絡のプリントの役割は、配布して保護者と情報を共有することです。
教師が子どもにプリントを配布していても、保護者が子どもからプリントを受け取っていない場合があります。その場合は、保護者から「プリントをいただきたい」と申し出があることもありますので、保護者向けのプリントは配布後も2部ほど残しておきましょう。
配布して保護者が記入し提出するプリント
保護者向けのプリントには、保護者の都合を記入してもらうプリントや、子どもの情報を記入してもらうプリントがあります。
これらのプリントは提出してもらった後、「教師が日程調整に使用する」「学校で保管しておく」など用途が決まっているものが多いので、それぞれきちんと管理しましょう。保管する場合も「保管する時期を決める」「最終的には家庭に返却する」など、プリントの役割を意識して管理しましょう。
家庭訪問・懇談の日程調整のプリントは、終われば用はないので廃棄しましょう。
【配布・破棄】教師向けのプリント
教師に配布するプリントは、教師に配布するプリントと教師から配布されるプリントの2種類があります。
【教師向けのプリント】
■ 自分で作成したプリント、他の教師が作成したプリントともに、すべてデータで管理する。
[教師に配布するプリント]
■ 基本的に教師にはプリントを配布せず、データで管理する。
■ 教室掲示用のプリント、教師の行程表・役割表は各教師に1枚配布する。
[教師から配布されるプリント]
■ 教師から配布されたプリントは基本的に時期が終了すれば廃棄する。
教師に配布するプリント
自分が他の先生に配布するプリントです。会議の提案プリントや、子ども・保護者向けのプリントを先生たちの机に配布します。
・会議の提案などの教師間の情報のやりとりは、基本的にデータでやりとりをする。
・教室掲示用のプリント、教師の行程表・役割表など、手元にプリントであったほうが良いものはプリントにして配布する。
自分が配布するプリントで他の先生の仕事が止まるようなことにならないように注意してください。自分が配布するときは、特に「プリントにして配布する必要があるものか?」を考えて行動しましょう。
教師から配布されるプリント
自分が必要最低限のプリントしか配布しなかったとしても、他の先生から大量にプリントが配布されてくる場合もあります。
・一度目を通しておけばよいものは必要な部分だけメモして廃棄する。
・行事に関わることで、全体を確認するために残しておくべきプリントは保管する。ただし、行事が終われば廃棄。
教師から配布されるプリントは基本的にすべて廃棄して問題ありません。紙よりも、プリントの元データを共有してもらうことが大切です。
教師は紙を断捨離して仕事を効率化【オススメ本3冊を紹介】
教師の仕事の効率化は、「いかに紙を断捨離するか」にかかっています。
基本的にプリントは断捨離。
今はパソコンでデータ保存できる便利な時代になりました。データ保存・共有をうまく活用し、無駄な紙を増やさないように努めましょう。
「仕事がはかどらない!」「効率が悪い!」「早く帰りたい!」と思った時は、まずは断捨離しましょう!
最後に、「断捨離をしようと思っても上手くいかない!」という人に向けて、「断捨離のメカニズム」や「断捨離を実践するための具体的な方法」について書かれた本を紹介します。
人生がときめく片づけの魔法
有名な「こんまり」こと、近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』です。
こんまりさんの子どもの頃からの「片付け遍歴」がとても共感できます。『片付けの前に「捨てる」を終わらせる。』を強調されていて、職員室の断捨離にピッタリです。
実践編では断捨離をしやすい分野から紹介されているので、いろんな場所の断捨離を実践してみましょう。
服を買うなら、捨てなさい
『服』の断捨離には、地曳いく子さんの『服を買うなら、捨てなさい』がオススメです。
ファッション雑誌や記事でよく見られる単語、「着まわし」や「バリエーション」を一刀両断する内容で、「なるほど」と納得させられます。
忙しすぎて家が散らかっている教師はたくさんいます。散らかっている原因が服であることも多いので、服を最低限に減らし、家もスッキリしていきましょう。
人生を思い通りに操る 片づけの心理法則
3冊目は、メンタリストDaiGoさんの『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』です。
感覚的な断捨離ではなく、基準を明確に示してくれているので、何冊も断捨離の本を読んでいる方にもオススメです。
さまざまな文献や実験の結果をもとに、科学的根拠を教えてくれる本なので、納得して断捨離を進めることができます。
3冊とも役に立つ本なので、読み終わったら学級文庫にするのも手ですよ。