本記事は、「社会人の方が通信制大学で教員免許を取得し、さらに教員採用試験に合格するための方法」についてです。
■ 仕事をしながら教員免許を取得できるか、とても不安だ。
■ 教員免許取得までに今の仕事を休んだり辞めたりしないといけないか心配だ。
■ 教員免許を取り次第、教諭に転職したいが最短で合格できるか不安だ。
このように、「仕事をしながら通信制大学で教員免許を取得することについて」「仕事をしながら教員採用試験に合格することについて」お悩みがある社会人の方にぜひ読んでいただきたいです。
通信制大学で教員免許を取得するには、最短で2年かかります。本記事では教員免許を持っていない社会人が、最短の2年で教員免許を取得し、教員採用試験に合格するためのポイントをお話しします。
私はこの方法で、会社員時代に最短の2年で教員免許を取得し、教員採用試験に1回で合格しました。「教師になりたい!」という目標に向かって、頑張っていきましょう!
社会人経験のある教師は、教育現場でも重宝されます。社会人で教諭に転職したいと考えている方は、是非ともチャレンジして頂きたいです。
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転職活動の2年間を計画的に使う
通信制大学は、入学時期が4月と10月の2回あります。
4月入学でも10月入学でも、教諭として働くまでの2年間を計画的に使うことが大切です。教員採用試験は日程が決まっているので、教採の日程から逆算して「大学の単位取得」と「教員採用試験対策」をする計画を立てましょう。
教員免許取得と教員採用試験合格を2年間で達成しようとする場合、4月入学は日程が非常にタイトです。10月入学の場合は、教諭として働くまでに実質2年半あるので、時間的に余裕があります。
大学入学から教員採用試験の受験まで、10月入学の場合は2年弱ありますが、4月入学の場合は1年3ヶ月ほどしかありません。教員採用試験の日程を把握して、計画的に準備をしましょう。
ちなみに私は「教師になろう!」と決めたのが6月だったので、10月入学でした。私の友人で4月入学をして、最短の2年で採用試験に合格して転職した人もいます。
最短の2年で教諭に転職するためには、なかなかの勉強量になりますが、計画的に頑張りましょう!
4月入学、10月入学のそれぞれの日程を図にすると、以下の通りです。2年間の日程をイメージして、「今は○○に集中する」と決めて取り組むと効率が良いです。
【1年目】教員免許取得の単位取得に集中する
1年目にやることは、4月入学でも10月入学でも同じことです。
【1年目にやること】
■ 6ヶ月~10ヶ月で「レポート提出&テスト受験」を完了する。
■ 並行して「スクーリング」に参加し完了する。
■ 「介護実習」にも参加する。
【単位取得の注意点】
・大学の講座を受講するためには、申込み期間を守る必要があります。
・計画的に卒業できるように、特にスクーリングや実習の申込み期間を間違えないようにしましょう。
・介護実習の日程は大学が決めるため、1年目で終わらない場合もあります。
まずは、「レポート提出&テスト受験」を全力で終わらせます。目安としては、6~10ヶ月程度で完了させると後が楽になります。
「レポート提出&テスト受験」が完了すると、教員採用試験の勉強に切り替えることができます。
【4月入学の場合】
・採用試験対策の期間が短くなるため、より計画的に勉強を進める必要がある。
・『教員養成セミナー』を読み始めると同時に、ゆるく採用試験対策を進めると良い。
・実際に採用試験の勉強を始めるのは、「レポート提出&テスト受験」が終わってからで良いので、全力で終わらせよう!
【2年目】実習と教員採用試験対策に集中する
2年目は教育実習と、採用試験対策に集中します。教育実習は2年目にしか参加できないので、それ以外の単位は1年目にすべてとっておきましょう。
教育実習の3~4週間は、採用試験対策は出来ないと思った方が良いです。私も体力的にしんどかったり、教材研究が大変だったりで、採用試験対策をする気力は一切ありませんでした。
「教育実習中は余裕があれば勉強しよう」ぐらいでOKです。むしろ、教育実習期間中以外は、常に採用試験対策の時間にしましょう。
教採の各試験の対策方法は以下をご覧ください。
通信制大学で教員免許を取得するために大変なこと
「社会人でも働きながら教員免許をとることができる!」と聞くと、免許取得へのモチベーションが上がってきます。しかし、単位取得に関して「大変だ」と感じることが3つあります。
【社会人が教員免許の単位取得で大変なこと】
■ レポート提出・テスト受験は、限られた時間で計画的にする必要がある。
■ スクーリングは、仕事を休む必要がある可能性がある。
■ 実習は、長期間仕事を休む必要がある。
すべて、教員免許取得に必要な単位についてです。一つずつ見ていきましょう。
【レポート提出・テスト受験】限られた時間で計画的に進める
教員免許をとるためには、「教職に関する科目の単位」と「教科に関する科目の単位」をとる必要があります。通信制大学の場合、これらの単位のほとんどを、「レポート提出で合格」さらに「テスト受験で合格」をしてとることになります。
「テスト受験」の申し込みは、「レポート提出」が完了した科目からできるようになるので、まずはレポート作成を急ぎます。
「テスト受験」は、大学や地方に試験会場が設定されているので、日程を合わせて受験します。
「○○(科目名)を受ける前に○○(科目名)をとっておく」や「教育実習を受けるために必要な科目」など、履修科目にしばりがある場合があるので、単位をとる順番を計画的に決めることをおすすめします。
「レポート作成」は自宅でいつでもできますし、「テスト受験」は土日に行われることが多いので、「レポート提出」と「テスト受験」は、やる気と計画性さえあればいけることです。
入学直後から1年目は、「レポート提出」と「テスト受験」に全力で取り組みましょう!
【スクーリング】仕事を休む必要がある可能性がある
通信制大学の場合、ほとんどが自宅学習ですが、大学のスクーリングに参加して単位をとる科目もあります。
通信制大学の入学・卒業は年に2回あるので、スクーリングも同じ科目で1年に2回ある場合がほとんどです。
スクーリングはほとんどが大学で行われます。近場の方は日帰りで参加できますが、遠方の方はホテル泊で参加する必要があります。
スクーリングの日程は、土日を絡めて設定してくれている場合がほとんどですが、平日開催もあります。その場合は仕事を休んででも参加しましょう。
「レポート提出」と「テスト受験」は何度もチャンスがありますが、スクーリングは回数が限られているので、計画的に参加するようにしてください。
スクーリング科目は、たいていの場合きちんとスクーリングに参加すると単位を取得できるので、参加することが大切です!
スクーリングは、通信制の大学生にとって他の学生とコミュニケーションを取れる数少ないチャンスなので、思いのほか楽しめますよ。
「レポート提出・テスト受験」「スクーリング参加」は仕事をしながらでも十分対応できます。ガンガン単位をとっていきましょう。
【実習】長期間仕事を休む必要がある
教育実習や介護実習は学校に子どもがいるときに行われるため、平日に参加することになります。もちろん実習中に職場に行くことは無理なので、実習中は実習に集中しましょう。
介護実習は7日間、教育実習は校種によりますが2週間~4週間必要です。
ちなみに、仕事をしながら教員免許を取得した友人に実習の体験談を聞くと、いろんなパターンがありました。
・教員採用試験の準備もしたいから、大学入学後しばらくしてから職場を退職した。したがって実習には問題なく参加できた。
・教育実習に参加すること(教師に転職すること)を会社に打ち明けて、職場を退職してから実習に参加した。
・教育関係の職場で教員免許をとることを応援してくれていたので、有給をとって実習に参加できた。
・教育実習で3週間休むことを上司に打ち明け、人事課にも話を通して、有給をとって実習に参加した。
このように、教育実習に行くために退職した人も、有給で参加できた人もいます。職場の反応はさまざまだと思うので、職場に聞いてみるしかないです。
私は3週間有給をとって教育実習に参加できたので、職場には本当に感謝しています。
個人的な意見ですが、教員免許を取り次第転職することを決めているならば、退職しても問題ないと思っています。
社会人が教員免許を取得する時に、一番大変なのが教育実習の日程です。ここまで来れば教師に転職することも、教員採用試験も目の前なので、職場を退職して準備するのも一つの手だと言えます。
【実録】社会人でも通信制大学で教員免許を取得できる
以上に示したように、仕事をしながら通信制大学で教員免許を取得することは難しいことですが、自己管理をきちんとできる社会人の方なら、誰でも十分可能です。
私の周りには、私以外にも通信制大学で教員免許を取って、教師に転職した人が何人もいます。例えば・・・
【特別支援学校の教師になりたい友人】
・大学卒業資格あり
・1年で小学校二種免許を取得 → 1年で特別支援学校一種免許を取得
(昔は小学校二種免許を1年で取ることができました。今は最短で2年かかります。)
【小学校の教師になりたい友人】
・大学卒業資格あり
・2年で小学校一種免許を取得
【中学校の教師になりたい友人】
・大学卒業資格あり
・2年で中学校・高等学校一種免許を取得
【小学校の教師になりたい友人】
・短期大学卒業資格あり
・2年で大学卒業資格と小学校一種免許を取得
このように、社会人をしながらの教師免許取得は、やろうと決めて行動すればできます。
もしも「2年では厳しいかも・・・」と感じた場合でも、3年間、4年間とかけて免許を取得しても教師にはなれます。「教師になりたい」という目標をあきらめずに頑張りましょう!
【実録】仕事と大学の両立が教員免許取得につながる
参考までに私の話を紹介させてください。教員免許を取得する前の、学歴と仕事の状況についてです。
【学歴】
・4年制大学卒業
・教員免許は1つももっていない
・教科や教職に関する科目の単位を通信制大学でほとんどとる必要がある
私は教員免許を1つも持っていなかったのと、卒業した大学でも教職を取っていなかったので、ほとんどイチから単位をとる必要がありました。
もちろん教育実習や介護実習などの実習にも行かなければいけない状況でした。
【仕事の状況】
・平日が勤務日で、土日祝は休み
・残業の多い部署から少ない部署に異動させてもらった
・仕事の忙しさによるが、比較的自由に有給をとれる
仕事は元々、品種開発担当のとても忙しい部署にいましたが、それをフォローする、品種開発部署よりは忙しくない部署に異動させてもらいました。
大学入学を決めた時期に、ちょうど社内で部署異動に立候補する制度があり、それを利用して異動させてもらいました。今までやっていた品種開発をフォローする部署なので、今までの知識も使えるちょうど良い部署でした。
異動後の部署はよほど忙しくない限り定時退社できる、素晴らしい部署でした。この部署異動により、勉強できる時間をつくりました。
結局私は大学に10月入学し、2年後の9月に中学校・高等学校一種免許を取得して卒業できました。
卒業した9月には地元の自治体の教員採用試験に合格したので、翌年の4月から公立中学校の教諭として働くことにしました。
2年の転職活動で教員免許取得・教員採用試験合格をしよう!
社会人になってから「教師になりたい!」と一念発起し、教師に転職することは可能です。
計画的に学習すると、教員免許は最短2年で取得することができます。
仕事が忙しかったり、スクーリングや実習の時期が合わなかったりすると、それ以上かかることもあります。しかし、免許取得に何年かかるかは重要なことではありません。
大切なのは「教師になってからどうするか」なので、ご自身の信念を曲げずに社会人から教師になってほしいと思っています。
○ 通信制大学で教員免許を取得したい人には、佛教大学・通信教育課程がオススメ!まずは『資料請求』をしましょう。