本記事は、職員室の雰囲気が悪いときの対処法です。
教師の悩みはたくさんあります。
■ 自分の教師力
■ 子どもや保護者との関係
■ 教師同士の関係
教師は「教師としての資質」をベースとして、周りの先生と協力して子どもの教育に関わっていきます。意欲のある先生は、自分の教師力を伸ばすための努力や、子どもや保護者との関係を築くための労力を惜しみません。
しかし、「教師同士の関係は自分の努力ではどうにもならない」と悩んでいる先生も多いです。特に、教師同士の関係が悪いと、職員室にいることがしんどくなり、先生が学校に来にくくなってしまいます。
「職員室の雰囲気が悪い」状態で、教師が意欲的に働くのは難しいです。
今回は、教師同士の人間関係を円滑にするためのポイントについて、お話しします。
今回は、職員室の雰囲気をどうにかしたい先生に向けて、原因と改善策をお話しします。
職員室の雰囲気が悪い3つの原因
職員室の雰囲気が悪い原因は、大きく分けると以下の3つが考えられます。
【職員室の雰囲気が悪い原因】
■ 管理職がイマイチ
■ 職員室に派閥がある
■ 学年の雰囲気が悪い
一つずつ見ていきましょう。
管理職がイマイチ
1つ目は、管理職がイマイチな場合、職員室の雰囲気は悪くなります。だいたいの学校で、管理職は校長と教頭の2人です。
管理職が以下に当てはまる場合、「管理職がイマイチで雰囲気が悪い」と感じる可能性が高いです。
・校長と教頭の仲が、見るからに悪い
・校長と教頭で、言っていることが違う
・校長や教頭が高圧的・威圧的で、他の教師が発言・活動しにくい
・校長や教頭が決断できない人で、なかなか話が進まない
・校長や教頭に自分や学年の努力が評価されにくい
管理職について、挙げ出すと永遠に出てきそうですが、管理職が教師のことを考えて動いてくれない学校の場合、職員室の雰囲気はあまり良くないです。しかし、管理職以外の教師が、管理職を理解するのはなかなか難しいです。
実際に管理職の立場になった者にしかわからない苦悩もあるでしょうし・・・。
管理職が原因で、職員室が嫌だと感じることもあるかもしれませんが、よっぽどのことではない限り、「そんな人なんだ」と流して対応しましょう。
管理職以外でも、教務主任や生徒指導部長などの校務分掌の長がイマイチの場合もありますが、そこは管理職と同様、「そんな人なんだ」と捉えると良いです。
職員室に派閥がある
2つ目は、職員室に派閥がある場合です。
最近は、教諭の異動が4~7年ほどの短期間で行われるようになったため、古い人が出ていき、新しい人が入ってくる、職場の新陳代謝が進んでいます。人の流れがあると新しい環境になるため、派閥も作られにくいですが、まだまだ古い人が職員室を陣取っている場合は、嫌な派閥がある確率が高いです。
【派閥があって困るところ】
・気に入っている教師としか喋らない
・自分の敵だと思う教師を目の敵にする
・自分が嫌いな教師と喋っている教師のことも嫌う
職員室でこのような振る舞いをされると困りますし、書いていて嫌になってきますが・・・。
しかし、このような行動をとる教師はいつの間にか肩身が狭くなりますし、先程の管理職と同様、「そんな人たちなんだ」と捉えて程よい距離感で接するようにしましょう。
もちろん「自分は誰でも平等に公平に接する」ことが大切です。
学年の雰囲気が悪い
3つ目は、職員室の雰囲気が悪くなる最大の原因である「学年の雰囲気が悪い」です。
上2つの原因は、管理職や職員室の一部の問題なので、程よく距離をおくことができればある程度は解決します。しかし、学年集団の雰囲気が悪い場合はそうはいきません。
学年が以下の特徴に当てはまる場合、「学年の雰囲気が悪い」と感じる可能性が高いです。
・個人の単独行動が多く、チームとしてまとまっていない
・それぞれの役割が曖昧で、「自分は○○をすればOK」というものがない
・情報共有が少なく、学年内の風通りが悪い
・教師同士の雰囲気が悪く、学年の仲が良くない
・教師一人ひとりは頑張っているが、学年集団に一体感がない
・自分の学級経営に精一杯で、学年の足を引っ張っていると感じる
・教科指導や生徒指導を任せられない教師がいて、フォローがしんどい
・突発的によく休む教師がいて、他の教師の仕事量が多くなってしまっている
上に挙げた内容はほんの一例ですが、結局、学年の雰囲気が悪くなる原因は以下の3つに絞られます。
■ 学年がチームとして動いていない
■ 自分の指導力に自信がない
■ 自分以外に指導力のない教師がいる
学年の教師集団がしんどいのは、教師にとって一番辛いことです。
学年の雰囲気が悪い場合は、学年の雰囲気を良くする必要があります。
自己分析と他社理解で学年の雰囲気を良くしよう
では、学年の雰囲気を良くするための改善策を見ていきましょう。学年が以下のような時は、教師一人ひとりの満足感や達成感が高まり、学年の雰囲気も良くなります。
【雰囲気が良い学年の特徴】
■ 学年がチームとして動いている
■ 教師一人ひとりが、自分の指導力を懸命に発揮できている
■ 色んな教師が集まって強みを活かし、弱みをフォローし合えている
一人ひとりが自分を理解し、他の教師のことも理解し、協力し合うことが大切なのです。
そのための近道は、自己分析と他者理解をすることです。
教師の自己分析は得意・不得意を理解すること
教師には総合的な能力が求められます。教師が自分の強みを活かせている状態は以下の通りです。
・圧倒的なカリスマ性で、子ども達を引っ張っていくことができる
・きめ細やかな指導で、子どもや保護者から信頼があつい
・子どもたちを褒めて伸ばし、時には厳しく接し、良さを活かせる学級経営ができている
・子どもたちの1年後、2年後、3年後、社会に出てからをイメージして関わることができている
・子どもたちが安心できるルールやマナーを徹底して身に付けさせることができている
・子どもたちがどんなことにも興味をもてるような指導力・話術がある
・子どもたちを良くするためのアイデアが次々と出てきて、実行に移すことができる
・時間管理能力に優れている
・事務作業に手間取ることはない
・学年教師のことを考え、学年集団を円滑に運営できる
「これらをすべて出来ていないと教師失格か?」というと、そうではありません。始めからすべてをできる教師がいるはずもありません。
もちろん、人それぞれ始めから得意な分野があるので、「事務作業は始めから得意」という人もいますよね。
反対に、「教師経験を積んでもどうしてもできない」という苦手なこともあるはずです。
大切なことは、「教師には総合的な能力が求められるが、自分は○○が得意で☆☆が苦手」ということを理解することです。
自分の得意・苦手が分かっていないと、「自分はあの先生のように☆☆を上手くできないから、いつまでもダメなんだ」と思ってしまいます。自分の得意・苦手を理解できていると、
■ 「自分は○○します」と学年のために動くことができる
■ 「自分は☆☆が苦手なので、手伝ってもらえますか」「教えてもらえますか」と人に協力を求め、感謝することができる
自己肯定感が上がり、周りへの感謝もできるようになるのは最高ですね。自己分析が学年のため、子どものために繋がるのです。
教師の他者理解は感謝につながる
教師が自分の強み・弱みを知ることは、他者理解にも繋がります。
「自分は○○が得意で☆☆が苦手」という人の場合
・「自分は☆☆が苦手」という意識が強すぎて、「自分はできない」と思っているときは、周りの人が何でもできるように見えてしまいます。しかし、「☆☆が得意な先生」は、あなたが得意な○○が苦手かもしれません。
・「自分は○○が得意」という意識が強すぎて、「自分は何でもできる」と思っているときは、周りの人が何もできないように感じてしまいます。しかし、「○○が苦手な先生」は、あなたが苦手な☆☆が得意かもしれません。
人それぞれ得意・苦手が必ずあります。自分を正しく理解できると、人の得意・苦手も見ることができるようになります。
以下のように、強みを人のために活かし、弱みをフォローしてくれる人のありがたさに気がつくことができます。
「自分は○○が得意だから、苦手そうなあの先生を手伝ってあげると、先生は助かるかもしれない」
「自分は☆☆が苦手だから、得意なあの先生に教えてもらって少しでも足を引っ張らないようにしよう」
自分を知り、周りの先生のことも理解することで、学年の雰囲気が良くなることは間違いありません。
職員室の雰囲気よりも学年の雰囲気を大切に
教師が「職員室の雰囲気が悪い」と悩んでいる場合、ほとんどが「学年の雰囲気がしんどい」に行き着きます。
管理職や遠くで揉めている人達は、距離をとっておけば何とでもなります。しかし、学年教師の雰囲気が悪い場合はそうはいきません。
まずは自己分析をして自分に自信をもち、他の先生方と協力して学年を良い集団にしていきましょう!