本記事は、教員採用試験の論作文の対策についてです。
■ 論作文で何を書いたら良いかわからない。
■ 論作文はぶっつけ本番でいこうとして、いつも書けずに終わってしまう。
■ 論作文は捨てて、筆記試験や面接試験を頑張ろうと思っている。
このように、教員採用試験の論作文の対策方法がわからないという人がとても多いです。
筆記試験・実技試験・面接試験は十分対策するのに対し、論作文の対策はどうしても後回しにされがちです。しかし、論作文も他の試験と同じように対策をすることで自分の得点源にすることができます。
教員採用試験は、試験によって穴がない方が合格の確率が上がります。合格を確実なものにするために、論作文の特徴を知り、対策をしていきましょう。
教員採用試験で、論作文の試験がある自治体は多いです。私が合格した自治体は二次試験で、論作文がありました。
論作文対策をすることで、面接対策の精度も上がるので、前向きに取り組んでいきましょう!
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教員採用試験の論作文は書く面接試験
論作文は問題に対して、自分の意見を書いて表現する試験です。面接試験で自分の意見を言ったり、自分の良さをアピールしたりするのと同じように、論作文でも試験官に自分をアピールしましょう。
「論作文は書く面接試験」と心得て、準備しましょう。
論作文対策は、面接試験対策と同時に進められるので、教職教養や面接試験、集団討論の対策も同時にできることになります。論作文対策をすることで、他の試験対策の精度が上がりますよ!
論作文と面接試験の違い
論作文と面接試験の対策は重なる部分が多いですが、論作文だけの対策も必要になってきます。論作文の特徴は以下の通りです。
■ 問題に正対していることを示す。
■ 自分の意見を2つ端的に述べる。
■ 文字数の制限内、時間の制限内で結論まで書く。
特徴から、「論作文は堅い」と感じます。面接は対面で行われるため、表情で伝わることがあったり、何となく思いを話すだけで面接官に自分の意見を伝えられたりします。
しかし、論作文は文章だけで自分の言いたいことを伝えなければいけません。しかも文字数制限があるため、無駄なことを省き、重要なことだけを書く必要があります。
教職教養で学んだことを面接対策に活かし、面接対策で並べた自分の意見を論作文でさらにまとめていく必要があるのです。
【論作文対策】過去問からパターンを準備して覚える
ここからは、「論作文対策で具体的に何をすればよいのか」を説明します。論作文の攻略手順は以下の通りです。
【手順1】
・受験する自治体の過去問から、問題を書き出す。
【手順2】
・論作文は「序論・本論・結論」の三部構成にすれば良いことを知る。
・「序論」「結論」は2パターン程度に絞る。
・「本論」の材料を集め、パターンを作る。
【手順3】
・作ったパターンで、受験する自治体の過去問に対応できるか、当てはめられるかを確認する。
・できるだけ少ないパターンで対応できるようにパターンを改良する。
【手順4】
・作ったパターンをひたすら覚える。
論作文でも、まずは過去問チェックです!過去問分析が終わったら次に進みましょう。
論作文は「序論・本論・結論」の三部構成に
論作文は「序論・本論・結論」の三部構成にすると、話を展開しやすいです。
自治体によって論作文の文字数はさまざまですが、だいたい400~2000字程度でしょう。「序論・本論・結論」の文字数の目安は以下の通りです。
「序論」全体の15~20%
「結論」全体の60~70%
「本論」全体の10~15%
800字の論作文の場合、序論は120文字~160文字におさめるとバランスが良いということです。厳密に守る必要はありませんが、ある程度範囲内におさめておくことが大切です。
【序論】問題に正対していることを示す
ここからは、「序論」「本論」「結論」に分けて解説します。まずは序論です。
■ 序論で問題に正対していることを示す。
■ 序論は2パターン程度に絞る。
論作文では、「序論を読めば、受験生が問題に正対して意見を述べようとしているか?」がわかります。「正対できていない序論の論作文は読む価値がない」とも言えます。よって、序論がとても大切です。
以下に、序論のパターン1~2の具体例を示します。
(*1)確かな学力は、豊かな心、健やかな体と共に、生きる力の要素の一つである。(*2)現代の子どもたちは、変化の激しい社会を生きていかなければならない。そのため、子どもたちには○○○○○○○○が求められている。私が社会人として働く中で、○○○○○○○○をもった人は生き生きと自己実現し、社会で活躍していると実感している。社会が必要とする○○○○○○○○を育成するために、以下2点の取り組みを実践する。(200字)
(*1)の文は、問題によって変更をする。
・「生きる力」は、これからの時代に求められる力である。
・主体的に学ぶ態度を身に付けるためには、学習意欲の向上が不可欠である。
・分かる授業とは、「確かな学力」の根幹をなすものである。 など
(*2)の「変化の激しい社会」は、問題によって変更をする。
・グローバル化・多様性が進む社会・変化の激しい社会 など
【パターン1】は、「子どもたちにさまざまな力をつけるためにどのような取り組みをするか」というスタンダードな問題に対応できます。
序論で文字数に余裕があれば、「私が社会人として働く中で」のように、子どもたちが社会で生きていくために必要な力であることを実感しているということを述べて、文章を展開させると良いです。
いじめは人間として絶対に許されない行為である。しかし、いじめはどの学校でも、どの子どもにも起こり得る問題であることを認識する必要がある。いじめられた子どもは心に大きな傷を負うことになる。いじめを防ぐために、未然防止、早期発見・早期対応が重要である。(125字)
いじめについての問題も頻出します。いじめの問題の場合は、この内容で書くと決めて、文章をつくっておくと良いです。
【本論】問題に対する具体的な取り組みを2点述べる
本論では、問題に対する具体的な取り組みを述べます。800文字程度までならば、取り組みは2つ書けば十分です。
■ 本論で自分の意見を2つ書く。
■ 本論の内容はパターン化して準備する。
本論の内容は5つほどパターンを作れば、パターンを組み合わせることで対応できます。
「この問題は、『序論 + 本論パターン3 + 本論パターン4 + 結論』で書く!」と決められるように、本論のパターン作りをしましょう。
【パターン1】
第一に、○○科の授業において、繰り返し学習を実践する。学習した内容を何度も復習することにより、基礎的・基本的な知識・技能は定着すると考えるからである。そのために、授業の導入部分では前回の復習を行う。また、定期的に復習テストを行う。復習テストは生徒の学習進度に合わせた問題を準備し、個に合わせた指導を充実させる。(175字)
【パターン2】
第二に、PDCAサイクルを活用した授業づくりを実践する。〇〇の授業は、特に習熟度に差が生じやすい教科である。生徒全員に分かる授業を実践するためには、まずは指導計画をきちんと作成し、授業を行うことである。次に授業中の生徒の発言や問題の解答状況を注意深く観察することにより、生徒の習熟度を確認し、自らの指導を振り返る。特に間違いが多い問題は、簡単な例に戻り、クラス全体で復習をする。生徒の反応を生かした適切な指導をし、生き生きとした授業を行う。(228字)
【パターン3】「〇〇科の授業の言語活動、話し合いの時間について」
【パターン4】「〇〇科の授業で人との関わり方を学ぶ機会を設定すること」
【パターン5】「生徒の小さな変化を見落とさないように生徒に寄り添うこと」
これらのパターンを準備することで、「〇〇力、思考力・判断力・表現力等の育成について」などさまざまな問題に対応できます。
パターン4と5はいじめの問題の未然防止、早期発見・早期対応の取り組みに当てはめられます。
文字数によってボリュームを増やしたり、ご自分の教科に合わせた内容にしていくと良いです。
本論がメインなので、パターンによって内容が重複することのないように、無駄のない厳選した内容に改良していきましょう。
【結論】序論と同じ内容を述べ、意欲を示す
結論は、序論で述べた自分の意見をもう一度述べて、論作文の論点を一本化して文章を締めます。最後の一文は教職に対する意欲を述べると、自分の決意を示すことができます。
■ 結論は序論から論点を一本化して締める。
■ 最後に自分の意思や決意を述べる。
■ 結論は2パターン程度に絞る。
以下に、結論のパターン1~2の具体例を示します。
【パターン1】
(*1)以上の取り組みから、○○○○○○○○を育成する。生徒が○○○、社会で活躍できる大人に成長できるように、全力で日々の教育活動に取り組む決意である。自己実現を図るとともに、社会で活躍できる大人に生徒が将来、社会生活をよりよく送っていけるように、熱意と忍耐をもって生徒の指導に当たっていく。(140字)
(*1)の文は、問題によって変更をする。
・○○○○○○○○は教育活動全体を通して身に付けられるものである。 など
【パターン2】
国際化・情報化が進む社会の中で、生きる力を身に付けることは非常に重要なことである。この生きる力のために子どもたちに○○を身に付けさせ、教師として子どもたちの○○向上のために励んでいきたい。(94字)
結論は、序論と同じように問題に正対していることを再度述べ、自分の意欲で終わると文章がスマートになります。
パターンを過去問に当てはめて論作文を完成させる
【手順2】で「序論」「本論」「結論」の準備が出来たら、【手順3】で受験する自治体の過去問にパターンを当てはめていきます。
準備したパターンで、論作文として成立するかを確認していきます。「序論」「本論」「結論」のパターンが不十分な場合や、内容が重複している場合は熟考しましょう。
【手順3】は過去問に対応できるパターンが揃っていればOKと判断してください。
【手順3】が終われば、【手順4】に進みます。【手順4】は作ったパターンをひたすら覚えるだけです。
【手順4】まで完ぺきに出来れば、論作文だけでなく面接試験の対応力も十分に備わっているはずです。
論作文の攻略手順を踏めば、教育に対する自分の考えがまとめられますので、ぜひとも対策として実践してみてください。
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